1960年代はビートルズをはじめ誰もが知る数々の有名ロックバンドがデビューした、ロックの黄金時代。
名盤もたくさん誕生しました。
本記事では、1960年代の名盤を10枚だけ、独断で厳選しました。
1960年代洋楽ロックの名盤①ロデオの恋人
アメリカのロックバンド、ザ・バーズが1968年にリリースした6作目のアルバム「ロデオの恋人」。
ロック界にカントリーロックという流れを見出し、ザ・バーズをカントリー・ロックのさきがけとして認知度を高めた人物であるグラム・パーソンズが参加しています。
「ロデオの恋人」以前はサイケデリック・ロック作風だったザ・バーズでしたが、パーソンズの影響により作品はそれまでとは一転、カントリー風に。
パーソンズは「ロデオの恋人」のみの参加となりましたが、ザ・バーズに、ロックに、カントリーミュージックのヒントを与えたという点で革新的なことをしました。
私はザ・バーズのサイケデリック・ロック期もそれはそれで好きですが、それ以上に「ロデオの恋人」が好きです。
牧歌のような平和で豊かな音楽、カントリーロックの真骨頂だと感じるからです。
陳腐な表現かもしれませんが、色褪せない名盤です。
I Am a Pilgrim
ザ・バーズ
1968/08/30 ¥200
1960年代洋楽ロックの名盤②ペット・サウンズ
アメリカのロックバンド、ザ・ビーチ・ボーイズが1966年にリリースしたアルバム「ペット・サウンズ」。
このアルバムを語るうえで欠かせない話題が、ビートルズの名盤「ラバーソウル」リリースと、一連のできごとにより誕生した名盤「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」。
ビーチ・ボーイズはビートルズの「ラバーソウル」を凌駕するアルバムを作るべく、中心人物であるブライアン・ウィルソンはひとり、音という音を曲に使えないか試行錯誤し曲作りに専念したのです。
ビーチ・ボーイズの作品というよりは、ほぼブライアン・ウィルソンの作品といっていいほど彼のこだわりが詰め込まれています。
ビートルズとビーチ・ボーイズがお互いが刺激し合って生まれたアルバム、名盤でないはずがないのです。
60年代ロックの必聴アルバムです。
Wouldn’t It Be Nice
ザ・ビーチ・ボーイズ
1966/05/16 ¥250

1960年代洋楽ロックの名盤③クリムゾン・キングの宮殿
キング・クリムゾンが1969年にリリースしたデビューアルバム「クリムゾン・キングの宮殿」。
プログレッシブ・ロックというジャンルを確立したとされるアルバムのひとつです。
ロックにジャズ要素を加え、これまでのロックのイメージとは異なる斬新的な音楽性を見出しました。
デビューアルバムとは思えない貫禄ある演奏、完成度で、もはや芸術の域に達しています。
初めて聴いたときの「21世紀のスキッツォイドマン」は全身に雷を受けたかのような衝撃を感じましたね。
これを作ったのが当時20歳そこそこのバンドメンバーなのですからえげつないです。
21st Century Schizoid Man
キング・クリムゾン
1969/10/10 ¥250

1960年代洋楽ロックの名盤④リボルバー
イギリスのロックバンド、ビートルズが1966年にリリースしたアルバム「リボルバー」。
ビートルズのアルバムで最高傑作をひとつ選ぶのは難しいですが、もっとも革命的なアルバムといえばこちらの作品です。
たとえばこの「トゥモロー・ネヴァー・ノウズ」。
これはジョン・レノンが”ダライ・ラマがチベットの丘でお経を唱えているような感じで”歌いたいと言った曲なんです。
とはいえそんな場所まで行けないから、スタジオで再現してみせたのです。
Tomorrow Never Knows
ビートルズ
1966/08/05 ¥250
ほかにもカモメの鳴き声を再現するなど、とにかく創意工夫、試行錯誤が凝らされている作品です。
その革新性から、リボルバーの後の音楽への影響力はすさまじいです。

1960年代洋楽ロックの名盤⑤ヴェルヴェット・アンダーグラウンド & ニコ
アメリカのロックバンド、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドが1967年にリリースしたアルバム「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ」。
人の内省的な部分、ダークサイドを描いた生々しい作品で、リリース当時は評価は高くはありませんでした。
しかし時を経るごとに本アルバムへの評価は高まっていき、いまや影響力だけでいえばビートルズに匹敵するほどにまでなりました。
サイケデリック・ロックという音楽は、薬物とは無縁である私たちからしてもとっつきやすいものではありません。
ただ、無縁だからこそ、薬物体験を中心とした血生ぐさいリアルな描写にはゾクゾクとしてしまうものがあります。
Sunday Morning
ヴェルヴェット・アンダーグラウンド & ニコ
1966/12/01 ¥250

1960年代洋楽ロックの名盤⑥追憶のハイウェイ61
アメリカの歌手、ボブ・ディランが1965年にリリースした「追憶のハイウェイ61」。
ボブ・ディランにとって音楽人生を変える大きなきっかけとなった1枚であり、ロック史においても最重要アルバムのひとつです。
社会的な歌詞、戦争批判のメッセージを歌っていたボブ・ディランは”プロテスト歌手”として、人々の英雄でした。
ですが、彼はブリティッシュ・インヴェイジョンによって自らの音楽の可能性を切り開いたのです。
その決意を表明したかのような曲が「ライク・ア・ローリング・ストーン」。
Like a Rolling Stone
ボブ・ディラン
1965/07/20 ¥200

1960年代洋楽ロックの名盤⑦レッド・ツェッペリン
イギリスのロックバンド、レッド・ツェッペリンのデビューアルバム「レッド・ツェッペリン」。
1969年のリリースを皮切りに、60年代ロックの主役だったビートルズに代わりレッド・ツェッペリンが王者の座に君臨することになります。
メンバーひとりひとりがスーパープレイヤーですが、中でも長髪を振り乱し歌うロバート・プラントとジミー・ペイジのギタープレイは、現代においても誰もが想像するハードロックそのもの。
伝説はここからはじまりました。
Communication Breakdown
Led Zeppelin
1969/01/12 ¥200

1960年代洋楽ロックの名盤⑧アー・ユー・エクスペリエンスト?
アメリカのミュージシャン、ジミ・ヘンドリックスが1967年にリリースしたアルバム「アー・ユー・エクスペリエンスト?」。
エリック・クラプトンやジェフ・ベックという超絶ギタリストですら廃業を考えたほどの衝撃的なギタープレイヤーだったジミ・ヘンドリックスのデビュー・アルバムです。
27歳という若さでこの世を去ったジミ・ヘンドリックスではありますが、いまだ彼を超える衝撃的なギタリストは現れません。もはやその存在は神。
アメリカ盤では、「パープル・ヘイズ」や「ヘイ・ジョー」といった彼の代表曲でありロック史上最高の名曲が収録されています。
Foxy Lady
ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス
1967/05/12 ¥200

1960年代洋楽ロックの名盤⑨ハートに火をつけて
アメリカのロックバンド、ドアーズが1967年リリースしたデビューアルバム「ハートに火をつけて」。
ステージ上での過激なパフォーマンスによって逮捕もされたことがあるフロントマンのジム・モリソンは、誰もが思い描くロックスター像を演じていたともいわれています。
しかし、自らつくりだしたロックスターの虚像によって彼は苦悩することに。
「ハートに火をつけて」は、ジム・モリソンのつかみどころのなさが詰まった作品。
彼の狂気に魅了されるファンは後を絶ちません。
Light My Fire
ドアーズ
1967/01/04 ¥250
1960年代洋楽ロックの名盤⑩アビイ・ロード
ビートルズが1969年にリリースしたアルバム「アビイ・ロード」。
事実上のラストアルバムです。
活動を続けるうちにメンバーの仲が険悪になっていくことはロックバンドの避けては通れない宿命のようなもの。
ビートルズもまた、このころはバンド内の関係性は悪化していました。
しかしそれが功を奏し、メンバーの個性が際立つアルバムに。
初期の勢いある雰囲気ではありませんが、楽曲のクオリティという点で後期のビートルズは優秀です。
Come Together
ビートルズ
1969/09/26 ¥250
60年代ロックの名盤を聞こう!
以上、1960年代洋楽ロックの名盤10枚の紹介でした。「ロデオの恋人」と「キング・クリムゾンの宮殿」が個人的には一押しです。