プログレのようでプログレではない何か。
ファミリーの「ア・ソング・フォー・ミー」を聞いたときまずそう思いました。
私自身プログレはおもに5大バンド、ムーディー・ブルース、キャメル、カン、ソフト・マシーン、ラッシュあたりを好んで聴いてきたのですが、ファミリーの「ア・ソング・フォー・ミー」はその中のどれにも当てはまらないような音を持っていると感じたんですよね。
要するに”たとえがたい”音楽なんです。
なんといったらよいのか・・・個人的にはプログレというよりはすごくサイケデリックな印象を受けましたね。
ジャンルの細かい定義とかよくわかんないから伝えにくいんですけど、多くの人がイメージするプログレとは違う感じ。すごくカオスです。
とまあ前置きはこれくらいにしてファミリーの「ア・ソング・フォー・ミー」のことを語っていきましょうか。
ファミリーの名盤「ア・ソング・フォー・ミー」感想
正直に言うと、私の好みとは少し違ったアルバムでした。
私の好みど真ん中なのは、キャメルの「月夜のファンタジア」のような幻想的な音。
ファミリーの「ア・ソング・フォー・ミー」はそれとはまったく逆方向の音なんですよね。ひずみや土のにおいを感じるというか。
だから最初はとっつきにくさがありました。でも何度も聞いているうちに耳に馴染んできますね。癖がすごいなと感じたボーカルも味わい深くなります。
ということで感想を。
ボーカルが強烈!
最初とっつきにくさを感じた理由がこれ。ボーカルがとにかく強烈なんですよね。
5大バンドやムーディー・ブルース、キャメル、カン、ラッシュを好んで聴いていた私にとって、こんな癖の強いボーカルは結構な衝撃でした。
今までは楽器に自然に溶け込むようなプログレしか聞いてこなかったからか、独特な声質と主張の強さに驚き。
たまに13thフロア・エレベーターズを思わせるような強烈さがありました。
ラフさもある感じ
プログレってすごく緻密で複雑なイメージがあったんですが、ファミリーの「ア・ソング・フォー・ミー」はほどよくラフさもある印象を受けました。
抜け感があるというか。
こういうタイプのプログレもあるのか〜って感じで視野が広がりましたね。芸術っぽい、複雑なだけがプログレじゃないんだなと。
というか、ファミリーに関してはプログレの一言で定義できない独自性がありますよね。
サイケ、ジャズっぽい
プログレというジャンルだけで語ることができないのは、「ア・ソング・フォー・ミー」にはサイケデリックな印象とジャズっぽさもあるからだと思いました。
むしろ私はプログレよりもサイケデリック・ロック寄りな印象を持ちましたね。
プログレ5大バンドを好む人よりも、さきほどチラッと挙げた13thフロア・エレベーターズやグレイトフル・デッドのサイケ期が好きな人こそ好みそうな音。
ファミリー「ア・ソング・フォー・ミー」で好きな曲
最後に「ア・ソング・フォー・ミー」で私が良いなと思った曲を紹介しておきます!
1分もない曲でマイナーかもしれませんが、個人的には気に入りました。
ジャズっぽい音で垢抜けていて、すごくおしゃれ。
普通にカッコいいロック曲です。もうプログレだとかサイケだとかそんなのどうでもよくなる。かっこよければいいよねって気になります。