それまでの芸術や技術を競うロックに反抗するスタンスで歌うのが、70年代後半に流行したパンクロック。
今回は70年代後半に流行したパンクロックの歴史について書いていきます。
- ロックの起源を知る
- ビートルズが偉大なわけ
- “プロテスト歌手”ボブ・ディランの転機
- 「サージェント・ペパーズ~」名盤誕生の背景
- “神”と呼ばれた天才ギタリスト
- ドラッグ体験を再現するサイケデリック・ロック
- 難解さゆえに長く続かなかったブーム、プログレッシブ・ロック
- 主役交代、時代はビートルズからレッド・ツェッペリンへ
- ロックの神秘、グラム・ロック
- ロックスターなんてクソ!吠えたのはパンク
- ニューウェイヴ、ロックは形を変えてゆく
- 80年代を支えた”産業ロック”
- NWOBHMとヘヴィメタル
- 暗い社会に希望をもたらしたのはザ・スミス
- 自ら巻き起こしたブームを自らの死で終わらせたニルヴァーナの衝撃
- ブリットポップブームの象徴、ブラー対オアシス騒動
- 過激なパンクを広めたグリーン・デイの功績
【パンクロックの歴史】パンクロックとはどんな音楽?
ハードロックやプログレッシブ・ロックが高度な演奏や派手さ、芸術さで熱狂させていた音楽シーンに対して、ロックの原点回帰を目指すロックの動きがありました。その音楽はシンプルな演奏だけれど激しくアグレッシブなもの。そのロックは、パンクロックと呼ばれるものでした。
パンクロックは、60年代後半のヴェルヴェット・アンダーグラウンドやイギー・ポップがルーツだといわれています。
アメリカのパンクロックの火付け役、ラモーンズ
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数々のバンドが成功をおさめ、巨大な産業となったロック。もはやロックに荒々しさ、不良さは失われつつありました。
そんな中、ラモーンズは簡素な音、音楽的反発心(ラモーンズは政治的反抗については歌わなかった)、ストレートなメッセージを持つ音楽でデビューします。
デビューアルバムの「ラモーンズの激情」はアメリカでこそ最高111位でしたが、本国アメリカよりもイギリスでの評価のほうが高く、セックス・ピストルズやクラッシュといったパンクバンドに影響を与え、パンクブームを巻き起こしました。ロックの歴史においても重要な意味を持つ名盤です。
「ラモーンズの激情」は簡素な演奏で1曲も短い、とてもシンプルなアルバム。シンプルだからこそまっすぐに、直に心に響くんでしょうね。
Blitzkreig Bop (Single Version)
ラモーンズ
1976/04/23 ¥250
イギリスのパンクロックの歴史はセックス・ピストルズ、クラッシュから
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ラモーンズの影響は、イギリスのパンクバンド、セックス・ピストルズやクラッシュにとってもすさまじいものでした。
アメリカのパンクに影響された彼らもまたパンクで若者を夢中にさせました。彼らは若者の代弁者として過激なパフォーマンスをします。
それまでのロックは大きくなりすぎて、大作主義な曲に、高度な演奏技術、おおげさなヘアスタイル。そして”ロックスター”と”観客”という上下関係のような構図。
彼らはそれを良しとせず、音楽的成功を収めても反体制や反権力という姿勢を忘れずにあくまでも代弁者という立場で居続けました。ファッションやスタイルもこれまでのロックとは真逆。反抗心がうかがえますね。
若者たちを熱狂させて今もなお支持を集めるのは、パンクの精神をずっと忘れない彼らだったからでしょう。
荒々しくつたない演奏と絶大な影響力を持ち合わせるアルバム。ロックは技術なんかじゃない、ロックは怒り・反抗心であるということをよく体現していると思います。今もお気に入りの名盤としてこのアルバムを挙げる人が多いことからも、彼らの音楽スタイルに共感する未来のロックスターが多かったからでしょう。
クラッシュのファーストアルバム。階級社会や人種問題、失業など社会のあらゆる問題に対して歌ったアルバム。荒々しく怒りを感じる演奏に、若者たちは気持ちを重ねました。
Anarchy In the UK
セックス・ピストルズ
1977/10/01 ¥250
White Riot
ザ・クラッシュ
1977/03/18 ¥200
若者にとってのパンクロックとは
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その日はじめてギターをはじめた若者でも音楽ができる、音楽は表現するための手段で、誰でもできるものだというものが若者たちが心惹かれた、心を燃やしたんじゃないかと思います。
それまでのロックは、ハードロックやプログレッシブ・ロックのように技術の高い派手できらびやかな世界。ロックスターは手の届かない神様のような存在。
しかし、それに対し悪態つくパンクロックの姿勢というのは革新的で、大人たちからは煙たがられる存在かもしれませんが不満を募らせた若者たちは熱い視線を注ぎます。ファンもバンドも同等、上と下とかないというのを感じさせる姿勢はかっこいいです。
1978年セックス・ピストルズの解散でパンクロックブームが落ち着く
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1970年代後半、パンクブームを巻き起こしたセックス・ピストルズでしたが、先に挙げたアルバム「勝手にしやがれ」だけを残しあっけなく解散。
彼らの解散とともに、パンクブームは終焉に向かい流行は移り変わっていきます。
ロック史まとめ~パンクロックの歴史~
- アメリカからはじまりイギリスでブームを加速させたパンクロック。
- パンクロックはロックスターへの反抗。若者の代弁者。
- 音楽性は簡素でシンプルなスタイル。
- セックス・ピストルズの解散でブームは沈静化。
<参考>クロスビート編集部 最強版 ロックの50年、究極の500枚 (2012/6/30)
- ロックの起源を知る
- ビートルズが偉大なわけ
- “プロテスト歌手”ボブ・ディランの転機
- 「サージェント・ペパーズ~」名盤誕生の背景
- “神”と呼ばれた天才ギタリスト
- ドラッグ体験を再現するサイケデリック・ロック
- 難解さゆえに長く続かなかったブーム、プログレッシブ・ロック
- 主役交代、時代はビートルズからレッド・ツェッペリンへ
- ロックの神秘、グラム・ロック
- ロックスターなんてクソ!吠えたのはパンク
- ニューウェイヴ、ロックは形を変えてゆく
- 80年代を支えた”産業ロック”
- NWOBHMとヘヴィメタル
- 暗い社会に希望をもたらしたのはザ・スミス
- 自ら巻き起こしたブームを自らの死で終わらせたニルヴァーナの衝撃
- ブリットポップブームの象徴、ブラー対オアシス騒動
- 過激なパンクを広めたグリーン・デイの功績