ロック史上最強のギタリストといえば、エリック・クラプトとジミ・ヘンドリックス。
今回はエリック・クラプトンとジミ・ヘンドリックス、ふたりのギターの神様に焦点を当てロック史を追いました。
- ロックの起源を知る
- ビートルズが偉大なわけ
- “プロテスト歌手”ボブ・ディランの転機
- 「サージェント・ペパーズ~」名盤誕生の背景
- “神”と呼ばれた天才ギタリスト
- ドラッグ体験を再現するサイケデリック・ロック
- 難解さゆえに長く続かなかったブーム、プログレッシブ・ロック
- 主役交代、時代はビートルズからレッド・ツェッペリンへ
- ロックの神秘、グラム・ロック
- ロックスターなんてクソ!吠えたのはパンク
- ニューウェイヴ、ロックは形を変えてゆく
- 80年代を支えた”産業ロック”
- NWOBHMとヘヴィメタル
- 暗い社会に希望をもたらしたのはザ・スミス
- 自ら巻き起こしたブームを自らの死で終わらせたニルヴァーナの衝撃
- ブリットポップブームの象徴、ブラー対オアシス騒動
- 過激なパンクを広めたグリーン・デイの功績
エリック・クラプトンの転機
ヤードバーズを脱退したエリック・クラプトンは、自分のやりたいブルースを追求する道に進みました(エリック・クラプトンの後任がジェフ・ベック)。その後、ジョン・メイオール&ブルースブレイカーズに加入し、オーティス・ラッシュらの純粋なブルースを演奏します。
エリック・クラプトンの転機、ヤードバーズ脱退後
画像:Amazon
このころ、ロンドンの街の壁には、“CLAPTON IS GOD(クラプトンは神)”という落書きがあらわれました。しかしそこで満足しないのがエリック・クラプトン。バンドが人気を集めていても、クラプトンはそこにとどまらずさらに音楽を追求します。
それは、ブルース・ロック、即興演奏を盛り込んだインストゥルメンタル中心の新たなロックの形でした。
ロックの歴史における重要ロックバンド、クリーム結成
エリック・クラプトンは、1966年、ジャック・ブルースとジンジャー・ベイカーとともに「クリーム」を結成。
ジャムセッションを中心とした実験的、前衛的なサイケデリック音楽の特徴に表される音楽を追求しました。
しかしこの3人、みんな自信家でそれぞれがかなり主張の激しいんです。強烈な個性が集まれば衝突はもはや必然。バンドメンバーでありながらも、競い合うような鬼気迫る演奏で圧倒されます。
Sunshine of Your Love
クリーム
1967/11/01 ¥250
仲は最悪だったようです。エゴイズムの塊で、3人がそれぞれ俺が俺がというふうに好き放題に演奏するのです。
そしてバンド内の緊張が、わずか3年足らずで解散させることになります。
歴史が動いた!”ギターの神”ジミ・ヘンドリックスの出現
画像:Amazon
同じころ、アメリカ西海岸でもまた”神様”がもうひとり産声をあげました。
ジミ・ヘンドリックスです。ロックの歴史において最重要人物といっていいくらいのギタリスト。
リトル・リチャードなど有名ミュージシャンのバックを務めていて無名ではありましたが、ギターを自らの体の一部のごとく操る姿と爆音は際立つ存在で、リトル・リチャードから怒られるほどだったそう。
ギターのセンスの塊、天性のギタリストである彼でしたが、そのプレイを発揮できる場がなくくすぶっていました。
歴史が動いた!アニマルズのチャス・チャンドラーとの出会い
とはいえジミ・ヘンドリックスの衝撃的なプレイは観衆の目に留まるようで、いつしかアニマルズのベーシスト、チャス・チャンドラーの耳にもその噂が届くように。
その噂をたしかめたときの感想は、「3人のギタリストが同時に弾いているのかと思った」。
驚きと、愕然とした心情だったんじゃないでしょうか。
チャス・チャンドラーは、ジミ・ヘンドリックスにイギリスに渡ることを説得し、疑いつつ渡英することに。
ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス結成
画像:Amazon
ロンドンに渡ったジミ・ヘンドリックスは、オーディションを行い、ミッチ・ミッチェルとノエル・レディングと「ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス」を結成したのは1966年のこと。同年、クラブでの演奏をはじめます。
ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスの活動はたちまち口コミで広がり、有名なミュージシャンもジミ・ヘンドリックスを見にクラブに顔を出すようになります。
その中には、もう一人のギターの神様、エリック・クラプトンも。
ジミ・ヘンドリックスのプレイを見たエリック・クラプトンや、かつて彼が在籍していたヤードバーズの後釜ギタリストのジェフ・ベックの衝撃は大きく、“廃業を考えた”そうです。
ほかにも、ローリング・ストーンズやビートルズもジミ・ヘンドリックスを見に顔を出すように。イギリスの音楽番組にも出演し、番組での演奏でたちまちイギリス全土で話題に。
デビュー作、「アー・ユー・エクスペリエンスト?」は全英トップ3に入るヒットを記録しました。
母国アメリカでもスターになったジミ・ヘンドリックス
翌年1967年には、ビートルズのポール・マッカートニーの熱いすすめでアメリカカリフォルニア州のモンタレー・ポップ・フェスティバルに出演。
これをきっかけに、母国アメリカでも人気に火が付きます。
このアメリカでの成功を機に、本拠地を母国アメリカに移し活動するように。
1968年には「エレクトリック・レディランド」をリリース。
観客をくぎ付けにしたジミ・ヘンドリックスのパフォーマンス
ジミ・ヘンドリックスが注目を集めたのは、ギターの演奏技術がただ高かったというだけではありません。
ステージで火を放ったり、歯でギターを弾いたり、官能的にギターを扱ったりなどの過激なパフォーマンスも人気の理由です。
リトル・リチャードから俺より目立つなと怒られるのもその”派手さ”ですね。
刺激的でワイルドなステージパフォーマンスに、観客は熱狂したのです。
エクスペリエンス解散
一気にスターダムの座にのし上がったジミ・ヘンドリックスとバンドメンバーでしたが、その栄光はあまりにも短すぎました。
バンドの成功による過密なスケジュールやプレッシャー、方向性の相違など、バンド内に亀裂を生じさせるさまざまな要因がバンドにはつねにありました。
ノエル・レディングが脱退し、新たに「バンド・オブ・ジプシーズ」を結成しますが、やはりメンバーとはうまくいかずまもなく解散する結果に。
ジミ・ヘンドリックス突然の死
ジミ・ヘンドリックスは、1970年9月、ロンドンの滞在中のホテルで急逝。
睡眠中におう吐し喉が詰まったことによる窒息死でした。睡眠前には睡眠薬とアルコールを飲んでいたそうです。
ギターの神様は、デビューからわずか4年、27歳でその生涯を閉じました。
あまりにも短すぎる生涯でしたが、非凡すぎるジミ・ヘンドリックスの影響はすさまじく大きいもので、ロック史上最高のギタリストだといわれています。ロックの歴史はもう60年以上になりますが、いまだジミ・ヘンドリックスを超えるほどの影響力を持つギタリストもいないのではないでしょうか。
ロック史のまとめ~伝説のギタリスト、エリック・クラプトンとジミ・ヘンドリックスの歴史~
- ヤードバーズを脱退したエリック・クラプトンはジンジャー・ベイカー、ジャック・ブルースとクリームを結成。
- しかしエゴが強いメンバーで活動期間わずかで解散。
- アメリカではジミ・ヘンドリックスがアニマルズのチャス・チャンドラーに見いだされる。
- ジミ・ヘンドリックスは渡英すると数々のミュージシャンから絶賛されアメリカでもブレイク。
- しかしジミ・ヘンドリックスは27歳で生涯を終える。
ジミ・ヘンドリックスもエリック・クラプトンもロック史において重要、偉大なギタリスト。神様と形容されるギターの神様が誕生した60年代の歴史は熱いです。
<参考>クロスビート編集部 最強版 ロックの50年、究極の500枚 (2012/6/30)
- ロックの起源を知る
- ビートルズが偉大なわけ
- “プロテスト歌手”ボブ・ディランの転機
- 「サージェント・ペパーズ~」名盤誕生の背景
- “神”と呼ばれた天才ギタリスト
- ドラッグ体験を再現するサイケデリック・ロック
- 難解さゆえに長く続かなかったブーム、プログレッシブ・ロック
- 主役交代、時代はビートルズからレッド・ツェッペリンへ
- ロックの神秘、グラム・ロック
- ロックスターなんてクソ!吠えたのはパンク
- ニューウェイヴ、ロックは形を変えてゆく
- 80年代を支えた”産業ロック”
- NWOBHMとヘヴィメタル
- 暗い社会に希望をもたらしたのはザ・スミス
- 自ら巻き起こしたブームを自らの死で終わらせたニルヴァーナの衝撃
- ブリットポップブームの象徴、ブラー対オアシス騒動
- 過激なパンクを広めたグリーン・デイの功績