サイケデリック・ロックの時代が終わり、ロックは次のブームへ。
サイケデリック・ロックから分岐したプログレッシブ・ロックとは別のジャンル、ロック、ハードロックの歴史を追いました。
- ロックの起源を知る
- ビートルズが偉大なわけ
- “プロテスト歌手”ボブ・ディランの転機
- 「サージェント・ペパーズ~」名盤誕生の背景
- “神”と呼ばれた天才ギタリスト
- ドラッグ体験を再現するサイケデリック・ロック
- 難解さゆえに長く続かなかったブーム、プログレッシブ・ロック
- 主役交代、時代はビートルズからレッド・ツェッペリンへ
- ロックの神秘、グラム・ロック
- ロックスターなんてクソ!吠えたのはパンク
- ニューウェイヴ、ロックは形を変えてゆく
- 80年代を支えた”産業ロック”
- NWOBHMとヘヴィメタル
- 暗い社会に希望をもたらしたのはザ・スミス
- 自ら巻き起こしたブームを自らの死で終わらせたニルヴァーナの衝撃
- ブリットポップブームの象徴、ブラー対オアシス騒動
- 過激なパンクを広めたグリーン・デイの功績
サイケデリック・ロックからハードロックへ
画像:Amazon
1960年代の象徴であるブルース、サイケデリック・ロックは、レッド・ツェッペリンやディープ・パープル
といったロックバンドに代表されるブルースを基調としたより激しい演奏が特徴のハード・ロックへ形を変えます。
1970年代のロックはレッド・ツェッペリンの時代でした。イギリスのメロディ・メイカー紙の人気投票ではそれまでビートルズが人気の頂点にいましたが、それを引きずり下したのがレッド・ツェッペリン。
世代交代、新しい時代到来を感じさせる象徴的なできごとです。
ハード・ロックバンド、レッド・ツェッペリンの誕生
レッド・ツェッペリンというモンスターバンドを構想していたのがギタリストのジミー・ペイジ。もともとジェフ・ベック脱退後のヤードバーズでバンド活動をしていましたが、メンバー同士の対立でヤードバーズが解散します。
しかしジミー・ペイジはバンドを存続させるべく、メンバー集めを開始。そのメンバーが、ロバート・プラント、ジョン・ボーナム、ジョン・ポール・ジョーンズ。彼らをメンバーに迎え、バンド名をレッド・ツェッペリンに変え活動します。
レッド・ツェッペリンとレッド・ツェッペリンⅡ
1969年に「レッド・ツェッペリン」を発売し、その後すぐセカンドアルバム「レッド・ツェッペリンⅡ
」をリリース。これら2枚が空前絶後の大ヒット。どちらもハード・ロックの歴史的名盤。
デビューアルバムは、アメリカのレコード会社アトランティックが20万ドルを前渡ししたそうです。新人にはとんでもない破格な金額。
それほど強力なアルバムだったということですね。
Good Times Bad Times
Led Zeppelin
1969/01/12 ¥250
Whole Lotta Love
Led Zeppelin
1969/10/22 ¥200
レッド・ツェッペリンの勢いは止まらない
翌年1970年には「レッド・ツェッペリンⅢ」を発売します。
セカンドアルバムほどのセールスではなかったものの、大ヒットを記録し、アメリカ、イギリスのチャートを独占。
尖ったハード・ロックさが前作より薄れたことから評価は分かれる結果となりましたが、批評があるということはスターダムの座にのし上がった証拠でもあります。
Immigrant Song
Led Zeppelin
1970/10/05 ¥200
レッド・ツェッペリンの大名盤誕生
またその翌年には、レッド・ツェッペリンの代表作として挙げる人も多いであろう「レッド・ツェッペリンⅣ
」をリリースします。
4作目となるこのアルバムは、レッド・ツェッペリン史上最高傑作だという人もたくさんいます。それまで厳しく彼らを批評していた人も、このアルバムは歴史的名盤と言わざるを得なかったそう。
「Stairway to Heaven(天国への階段)」は彼らを代表する曲で、”静”からはじまりその美しいメロディラインと音色に心を酔わせていたら後半の怒涛の展開。
Stairway to Heaven
Led Zeppelin
1971/11/08 ¥200
初めて聞いたときは感銘を受けましたね。ロバート・プラントの後半のボーカルは圧倒されます。
印象的な曲構成はもちろん、歌詞の解釈もさまざまで、いまだに議論されることも多いです。
資本主義社会に対してだとか。ロバート・プラント自身は歌詞にはとくに意味ないと言っていた気もしますが。
今もさまざまな憶測がされることからも、どれだけロックの歴史に重要な意味をもたらしたのかがうかがえます。
ロック界に活気をもたらすレッド・ツェッペリン
その後も、「聖なる館」「フィジカル・グラフィティ
」という名盤を生み出すレッド・ツェッペリン。
彼らはひとりひとりがロックスターであり、ロック界にエネルギーをもたらしました。
1980年のドラマーであるジョン・ボーナムの事故死(睡眠中のおう吐による窒息)による解散まで、ハード・ロック界の帝王として頂点に君臨し続けました。
レッド・ツェッペリンは、ベトナム戦争やヒッピー文化の終焉で疲弊した1970年代初頭の社会に活力を与えたのではないでしょうか。

ハード・ロック旋風、ディープ・パープル
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レッド・ツェッペリンだけではありません。ハード・ロックバンドがこのころから多数登場しはじめます。
ディープ・パープルもまた、ハード・ロックで注目を集めます。初期こそ1960年代後半の象徴であったサイケデリック・ロック的音楽をしていた彼らですが、徐々に音楽性に磨きをかけハード・ロックへ。
その音楽性の変化、転機となったアルバムが1970年発売の「ディープ・パープル・イン・ロック 」です。
アルバムジャケットは有名ですね。レッド・ツェッペリンと並び、ブリティッシュ・ハード・ロックのイメージを確立させた1枚でしょう。
Child In Time
Deep Purple
1970/06/03 ¥-1
ヘヴィ・メタルの起源、ブラック・サバス
レッド・ツェッペリンとディープ・パープルとあわせて語られることも多いのが、ブラック・サバス
。
ブラック・サバスの後世への影響力はすさまじく、ヘヴィ・メタルのはじまりはブラック・サバスであるという人も多いです。
ブラック・サバスのボーカル、オジー・オズボーンはキンクスやザ・フーからの影響だと言っていますが、やはり、ヘヴィ・メタルのちょっと悪魔的な怖いヴィジュアル、ハード・ロックよりも重いサウンドというイメージを作ったのはブラック・サバスでしょう。ロック、ヘヴィ・メタルの歴史においても絶大な影響力をもつバンドです。
セカンドアルバム「パラノイド」は有名な「アイアン・マン」が収録されていて、彼らを代表するアルバムです。
ハード・ロックというには異質な、よりヘヴィで悪魔的な音楽が聴けます。
Iron Man
Black Sabbath
1970/09/18 ¥250
1970年はハードロック元年
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ヒッピー文化の終息を迎える1969~1970年。若者たちの勢いをなくしたこの年に出現したモンスターバンド、レッド・ツェッペリンは少なからず社会に元気、活気を与えたのではないでしょうか。
その後レッド・ツェッペリンに続けとばかりにハードロックバンドが続々デビューします。レッド・ツェッペリンがこのあとのロックスターたちに与えた影響はすさまじいものです。影響力でいえば、ビートルズに匹敵します。
そんな、ハード・ロックが続々誕生したイギリスの1970代は、ハード・ロックの黄金時代。
ハードロックの歴史まとめ
- 70年代、レッド・ツェッペリンが結成される。
- 70年代はハードロックが盛り上がる
- ディープ・パープルやブラック・サバスが成功していくのもここから。
レッド・ツェッペリンを筆頭に70年代はハード・ロックが音楽界を盛り上げますが、イギリスではまた新たなジャンルが生まれます。それは、1970年代前半を象徴するグラム・ロックです。
<参考>クロスビート編集部 最強版 ロックの50年、究極の500枚 (2012/6/30)
- ロックの起源を知る
- ビートルズが偉大なわけ
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