ニューヨークとロンドンに本部を置く音楽チャンネルMTVが毎年主催する音楽の祭典MTV Video Music Awards(エムティービー・ビデオ・ミュージック・アワード)。
祭典開催前年の7月~翌年6月までの期間に発表されたミュージックビデオを対象に、最優秀ビデオ賞やその他部門賞が贈られます。
本記事では、第1回目の祭典から現在までの歴代最優秀ビデオ賞を受賞した楽曲・ミュージックビデオをまとめています。
目次
1980年代MTV Video Music Awards最優秀ビデオ賞受賞曲
MTV全盛期の80年代。
受賞したミュージシャンを見てみると、ロック勢が強いです。
1984年:You Might Think / ザ・カーズ
You Might Think
ザ・カーズ
1984/03/13 ¥250
アメリカのロックバンド、ザ・カーズの名盤「ハートビートシティ」に収録されている曲「You Might Think」です。
なんとこの曲のミュージックビデオ、マイケル・ジャクソンの「スリラー」やザ・ポリスの「見つめていたい」を抑えての受賞。
時代を考えると、コンピュータ・グラフィックスが使われたことが当時としては斬新だったんだなと思いますね。
リック・オケイセックのポップな歌声が良いですね(個人的にはベーシストのベンジャミン・オールの甘い歌声が好きです)。

Youtubeで「You Might Think」を視聴する
1985年:The Boys of Summer / ドン・ヘンリー
The Boys of Summer
ドン・ヘンリー
1984/10/26 ¥250
アメリカのロックバンド、イーグルスのドラマー、ドン・ヘンリーの曲「The Boys of Summer」。
モノクロのミュージックビデオがおしゃれに見えます。
イーグルスはメンバー全員ボーカルをとることができますが、ハスキーなドン・ヘンリーの歌声が一番味わい深いと感じますね。
Youtubeで「The Boys of Summer」を視聴する
1986年:Money for Nothing / ダイアー・ストレイツ
Money for Nothing (Remastered)
ダイアー・ストレイツ
1985/05/13 ¥250
イギリスのロックバンド、ダイアー・ストレイツの代表曲「Money for Nothing」。
アニメーションを取り入れたミュージックビデオが印象的ですが、何よりも過激なロックらしい歌詞がインパクト大です。
まさにこのころ誕生した音楽チャンネルMTVに登場するロックスターを批判するような内容でして、「あいつを見てみろよ、ギター弾いてお金が入ってさ、女は選びたい放題なんだぜ」なんていう成功したミュージシャンをディスっているんです。
a-haの「Take On Me」もこの年ノミネート。
Youtubeで「Money for Nothing」を視聴する
1987年:Sledgehammer / ピーター・ガブリエル
Sledgehammer
ピーター・ガブリエル
1986/04/25 ¥250
ピーター・ガブリエルといえば、プログレッシブロックバンド、ジェネシスの初代ボーカリスト。
この曲の面白いのが、ピーター・ガブリエル脱退後にジェネシスがリリースした「インヴィジブル・タッチ」が1986年7月19日付のビルボード・シングルチャートで全米1位を記録しましたが、翌週「インヴィジブル・タッチ」を1位から引きずり落として1位に輝いたのがピーター・ガブリエルの「スレッジハンマー」だったということ。
そしてこの年のMTVもまた、ジェネシスを抑えてビデオ賞をとっています。
1988年:Need You Tonight/Mediate / INXS
Need You Tonight (2011 Remaster)
INXS
1987/09/23 ¥250
オーストラリアのロックバンド、INXSの楽曲です。
この印象的なリフ、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
ボーカリストであるマイケル・ハッチェンスがセクシーなミュージックビデオです。
Youtubeで「Need You Tonight」を視聴する
1989年:This Note’s for You / ニール・ヤング
This Note’s for You
ニール・ヤング
1988/04/12 ¥200
カナダのミュージシャン、ニール・ヤングの楽曲です。
「ペプシやコーラのために歌わない」という歌詞で、当初はMTVでのオンエアは拒否されていました。
しかしニール・ヤング側がMTVに対してスポンサーを恐れていると批判し、結果オンエアされてビデオ賞まで受賞しています。
ミュージックビデオにマイケル・ジャクソンっぽい人物が一瞬映ります。
Youtubeで「This Note’s for You」を視聴する
1990年代MTV Video Music Awards最優秀ビデオ賞受賞曲
90年代に入ると、まだロックバンドがいるもののちょっと情勢が変わってきたような雰囲気があります。
1990年:Nothing Compares 2 U / ジネイド・オコナー
Nothing Compares 2 U
シニード・オコナー
1990/01/08 ¥250
アイルランド出身のミュージシャン、シネイド・オコナーの楽曲。
もともとはプリンスがザ・ファミリーというバンドに提供した曲で、シネイド・オコナーのカバーバージョンが世界中で大ヒットしました。
個人的には殿下の歌うバージョンがおしゃれでクールで好きですね。
Nothing Compares 2 U
プリンス
1993/01/01 ¥250
Youtubeで「Nothing Compares 2 U」を視聴する
1991年:Losing My Religion / R.E.M
Losing My Religion
R.E.M.
1991/02/19 ¥250
アメリカのロックバンド、R.E.M.の楽曲。
ミュージックビデオは、歌詞に出てくる夢を表現しているのか意味がよくわかりませんが、苦悩があってもがんばって生きていかないとと思わせられる歌詞が響きます。
Youtubeで「Losing My Religion」を視聴する
1992年:Right Now / ヴァン・ヘイレン
Right Now
ヴァン・ヘイレン
2004/07/13 ¥250
アメリカのロックバンド、ヴァン・ヘイレンの楽曲です。
デイヴィッド・リー・ロス脱退後の曲なので、ボーカルはサミー・ヘイガー。
サミー時代もそれはそれでいいですが、個人的にはデイヴィッド・リー・ロス、70~80年代のヴァン・ヘイレンの尖ったハードロックが至高ですね。
この年にはニルヴァーナの超名曲「Smells Like Teen Spirit」もノミネートされているのですが、それを抑えての受賞となりました。
1993年:Jeremy / パール・ジャム
Jeremy
パール・ジャム
1991/08/27 ¥200
ニルヴァーナやサウンドガーデンとともにグランジブームを盛り上げたロックバンド、パール・ジャムの楽曲。
いかつい目の風貌に反し、美旋律で良い曲なのが卑怯ですね、かっこいいです。
しかもこれでファンを大事にするサービス精神旺盛な人たちだからますますかっこいい。

1994年:Cryin / エアロスミス
Cryin’
エアロスミス
1993/04/20 ¥250
ハードロックの絶対的王者、エアロスミスの楽曲。
ストーリー仕立てのミュージックビデオとエモーショナルな歌がマッチしています。
70年代から活躍して、それぞれの年代に有名ヒット曲があるエアロスミスは強い。
1995年:Waterfalls / TLC
Waterfalls
TLC
1994/11/15 ¥200
アメリカの女性R&BグループTLCの楽曲です。
全米チャート7週連続1位という驚異のセールスを記録した曲。
ヘルシーかつセクシーなミュージックビデオが特徴ですが、当時最先端だった特殊な視覚効果を使った技術もみどころです。
1996年:Tonight, Tonight / スマッシング・パンプキンズ
Tonight, Tonight
スマッシング・パンプキンズ
1995/10/23 ¥250
アメリカのロックバンド、スマッシング・パンプキンズの楽曲です。
イギリスのファンタジー映画のような雰囲気を思わせるミュージックビデオが印象的。
そしてその映像に合わないビリー・コーガンの独特のボーカルがまた面白いです。
Youtubeで「Tonight, Tonight」を視聴する
1997年:Virtual Insanity / ジャミロクワイ
Virtual Insanity (Remastered)
Jamiroquai
1996/08/19 ¥200
イギリスのミュージシャン、ジャミロクワイの代表曲でもあるこの曲は誰もが一度は聞いたことがあるはず。
「時計仕掛けのオレンジ」のような近未来的なミュージックビデオが良いのですが、ゴキブリ?はいないほうがいいのになぁと見るたびに思います。
Youtubeで「Virtual Insanity」を視聴する
1998年:Ray of Light / マドンナ
Ray of Light
MADONNA
1998/02/22 ¥250
アメリカのポップ歌手、マドンナの楽曲。
80年代マドンナのイメージで聞くと、ずいぶんテイストが変わった楽曲です。
甘さはなくダンスミュージックっぽいですね。
たまにマドンナがブリトニー・スピアーズに見えます。
1999年:Doo Wop (That Thing) / ローリン・ヒル
Doo Wop (That Thing)
ローリン・ヒル
1998/07/07 ¥200
アメリカのR&B歌手、ローリン・ヒルの楽曲。
クールなラップ曲です。
メッセージ性の強い楽曲が多いのも彼女の歌の特徴。
Youtubeで「Doo Wop (That Thing)」を視聴する
2000年代MTV Video Music Awards最優秀ビデオ賞受賞曲
2000年代、ヒップホップ勢が強いです。
後半にはリアーナが登場するので、もう最近な感じがしますね。
2000年:The Real Slim Shady / エミネム
The Real Slim Shady
エミネム
2000/04/15 ¥250
ヒップホップのレジェンド、エミネムの楽曲。
もはやヒップホップを知らない人もエミネムの名前は知っているくらい、知名度、影響力がすごいミュージシャンですね。
Youtubeで「The Real Slim Shady」を視聴する
2001年:Lady Marmalade / クリスティーナ・アギレラ、リル・キム、マイア & ピンク
Lady Marmalade
クリスティーナ・アギレラ, リル・キム, マイア & P!NK
2001/05/08 ¥250
クリスティーナ・アギレラ、リル・キム、マイア & ピンクによる楽曲。
ミュージックビデオはなかなか挑発的で刺激的です。
曲はキャッチーでわかりやすいフレーズですが、それが入ってこないくらいセクシー。
2002年:Without Me / エミネム
Without Me
エミネム
2002/05/14 ¥250
またまた登場のエミネム。
エミネムがもっとも勢いのあるころの楽曲で、ノリがよくて楽しい曲です。
ミュージックビデオは、エルヴィス・プレスリーっぽい人が出てきたり、いろいろとシュール。
2003年:Work It / ミッシー・エリオット
Work It
ミッシー・エリオット
2002/09/09 ¥200
ミッシー・エリオットの楽曲「Work It」。
ヒップホップで、ずっと同じ調子の曲調とミュージックビデオが続きます。
でも、不思議と繰り返し聴いていると癖になってきますね。
2004年:Hey Ya! / アウトキャスト
Hey Ya!
アウトキャスト
2003/09/23 ¥200
アメリカのヒップホップユニット、アウトキャストの楽曲です。
たまにテレビなどで流れていますね。
60年代を思わせる懐かしさ漂うミュージックビデオです。
2005年:Boulevard of Broken Dreams / グリーン・デイ
Boulevard of Broken Dreams
Green Day
2004/09/20 ¥250
ポップ・パンクバンド、グリーン・デイの楽曲です。
同じアルバムに収録されている「Holiday」の続きという位置づけのミュージックビデオ。
ポップ・パンクにはあまりないヘヴィさ、シリアスさが印象的です。

Youtubeで「Boulevard of Broken Dreams」を視聴する
2006年:I Write Sins Not Tragedies / パニック・アット・ザ・ディスコ
I Write Sins Not Tragedies
パニック!アット・ザ・ディスコ
2005/09/27 ¥250
アメリカのロックバンド、パニック!アット・ザ・ディスコの楽曲です。
わかりやすいキャッチーなポップ・パンクで爽快感があります。
映画のワンシーンのようなユニークなミュージックビデオです。
Youtubeで「I Write Sins Not Tragedies」を視聴する
2007年:Umbrella / リアーナ featuring ジェイ・Z
Umbrella (feat. JAY Z)
リアーナ
2007/03/29 ¥250
リアーナの代表曲「Umbrella」。
ミュージックビデオの雨の表現がかっこいいです。
何よりリアーナのスタイルの良さが半端じゃありません。
後半の傘を持って踊るシーンがカッコ良すぎます。
2008年:Piece of Me / ブリトニー・スピアーズ
Piece of Me
ブリトニー・スピアーズ
2007/10/25 ¥200
ブリトニー・スピアーズの楽曲です。
お騒がせセレブのイメージが強い彼女ですが、ミュージックビデオをみればそんなことを忘れるくらいにカッコ良くて可愛いしセクシー。
2009年:Single Ladies (Put a Ring on It) / ビヨンセ
Single Ladies (Put a Ring on It)
Beyoncé
2008/10/08 ¥200
アメリカの歌姫ビヨンセの楽曲です。
アップテンポでノリが良くて、はじめから踊りまくりのミュージックビデオも楽しいです。
セクシーなはずのに、あまりのキレの良いダンスっぷりに感動を覚えてしまいます。
Youtubeで「Single Ladies (Put a Ring on It)」を視聴する
2010年代MTV Video Music Awards最優秀ビデオ賞受賞曲
レディー・ガガやテイラー・スウィフト、ジャスティン・ティンバーレイク、マイリー・サイラス・・・2010年代になると、今もよくテレビで名前を聞くアーティストばかりですね。
2010年:Bad Romance / レディー・ガガ
Bad Romance
レディー・ガガ
2009/10/26 ¥250
アメリカのシンガーソングライター、レディー・ガガのヒット曲。
ハイセンスなミュージックビデオにレディー・ガガのソウルフルな歌声が印象的な曲です。
変な全身タイツで踊るシーンがシュール。でもレディー・ガガがやるとオシャレに見えますね。
2011年:Firework / ケイティ・ペリー
Firework
ケイティ・ペリー
2010/08/24 ¥250
アメリカのシンガーソングライター、ケイティ・ペリーのヒット曲です。
ミュージックビデオの最後の花火が上がるシーンは美しい。
ケイティ・ペリーの力強い歌声も素敵です。
2012年:We Found Love / リアーナ featuring カルヴィン・ハリス
We Found Love (feat. Calvin Harris)
リアーナ
2011/11/18 ¥250
リアーナfeat.カルヴィン・ハリスの楽曲。
映画の予告編のようなミュージックビデオに引き込まれます。
リアーナのフェミニンで透明感ある歌声がたまりませんね。
2013年:Mirrors / ジャスティン・ティンバーレイク
Mirrors
ジャスティン・ティンバーレイク
2013/02/11 ¥200
アメリカのシンガーソングライター、ジャスティン・ティンバーレイクの楽曲。
ストーリー性が感じられるミュージックビデオが美しいです。
上品なサウンドもおしゃれです。
2014年:Wrecking Ball / マイリー・サイラス
Wrecking Ball
マイリー・サイラス
2013/08/25 ¥200
マイリー・サイラスの楽曲です。
いきなり彼女の顔どアップからはじまるミュージックビデオが印象的。
きわどいシーンに見ているこちらがヒヤッとしてしまいます。
2015年:Bad Blood / テイラー・スウィフト
Bad Blood
テイラー・スウィフト
2014/10/27 ¥250
テイラー・スウィフトの楽曲。
アクション女優さながらの戦闘シーンからはじまるミュージックビデオは映画のワンシーンのようです。
マーベラスに登場しそうなテイラーが見られます。

2016年:Formation / ビヨンセ
Formation
Beyoncé
2016/02/06 ¥250
2度目の登場、ビヨンセ。
もちろんこの曲でも踊っています。
2017年:Humble / ケンドリック・ラマー
HUMBLE.
ケンドリック・ラマー
2017/03/31 ¥250
アメリカのラッパー、ケンドリック・ラマーの楽曲です。
札束、自転車、坊主頭、最期の晩餐、頭から炎・・・と、何かと記憶に残る場面が多いミュージックビデオです。
楽曲はずっと同じ調子が続くのですが、それでも映像とあわせてインパクトがあります。
2018年:Havana / カミラ・カベロ
ハバナ (feat. ヤング・サグ)
カミラ・カベロ
2017/09/08 ¥-1
アメリカのガールズ・グループ、フィフス・ハーモニーの元メンバー、カミラ・カベロの楽曲。
ストーリー性があってカミラが可愛らしいミュージックビデオです。
まとめ
以上、歴代MTV Video Music Awards最優秀ビデオ賞受賞楽曲の紹介でした。
祭典がはじまった80年代と現在を比べてみても、映像の進化、流行の移り変わりが目に見えて面白いですね。
次回はどのミュージックビデオが受賞するでしょうか。