デヴィッド・ボウイの名盤、そして個人的にはロックを好きになるきっかけとなった「ジギー・スターダスト」。
本記事では、「ジギー・スターダスト」のストーリーを含めこの名盤を徹底解説していきたいと思います。
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デヴィッド・ボウイの名盤「ジギー・スターダスト」概要
- 1972年リリース
- デヴィッド・ボウイ5作目のアルバム
- ボーカル/ギター:デヴィッド・ボウイ
- ピアノ/ギター:ミック・ロンソン
- ベース:トレヴァー・ボルダー
- ドラム:ミック・ウッディ・ウッドマンジー
- Five Years(5年間)
- 魂の愛(Soul Love)
- 月世界の白昼夢(Moonage Daydream)
- スターマン(Starman)
- イッツ・エイント・イージー(It Ain’t Easy)
※カバー
- レディ・スターダスト(Lady Stardust)
- スター(Star)
- 君の意志のままに(Hang On To Yourself)
- ジギー・スターダスト(Ziggy Stardust)
- サフラゲット・シティ(Suffragette City)
- ロックン・ロールの自殺者(Rock ‘N’ Roll Suicide)
【ジギー・スターダスト解説】ジギーはいったい誰?
「ジギー・スターダスト」の着想は、ふたつの出来事から得たそうです。
①ヴィンス・テイラーとの出会い
ヴィンス・テイラーというイギリスのロックスターとの出会いが、「ジギー・スターダスト」のヒントになったようです。
デヴィッド・ボウイはある日偶然ロンドンでテイラーとすれ違いました。
当時テイラーはすでに過去のスター。
「かつてのロックスターも普通の人なのだ」
テイラーにロックの栄枯盛衰を感じたデヴィッド・ボウイは、それを「ジギー・スターダスト」に表現しました。
②テレビを見ての思いつき
もうひとつ「ジギー・スターダスト」のヒントになったできごとがあります。
デヴィッド・ボウイがテレビを見ていたときにとあるカントリーシンガーが登場し、「リジェンダリー・スターダスト・カウボーイ」と紹介されたそうです。
そのシンガーの歌う姿に面白さを感じたボウイは、テイラーとの出会いとこれを重ね合わせて「ジギー・スターダスト」を創ったといわれています。
「ジギー」という名前
デヴィッド・ボウイがイギー・ポップのファンであることから、「ジギー」の名前の由来が彼であるといわれたこともあったようです。
しかし実際にはたまたま見た洋服店の店名「Ziggys」からとっただけ。
参考:「ジギー・スターダスト」ライナーノーツ
【ジギー・スターダスト解説】どんなストーリー?(私の想像込み)
ざっくりいうと、「地球滅亡の危機を救うためにやってきたロックスターの栄枯盛衰」です。
1曲ずつ、私の解釈も込みで見ていきましょう。というか、歌詞が抽象的すぎるため8割以上想像ですが笑
Five Years(5年間)
Five Years (2012 Remastered Version)
デヴィッド・ボウイ
1972/06/06 ¥250
地球は死に向かっている。
地球の私たちに残されたのは5年間だけ。
そしてジギーはというと、街の人々の混乱している様子を眺めている、という感じでしょうか。
「Five Years(5年間)」は静かに始まって、ラストは力強く終わります。
歌詞が抽象的なので音も含め想像をめぐらすと、最初は地球が危機である知らせを聞き人々が悲しんでいる感じがします。
でも後半はどんどん音が大きくなり、ボーカルも強くなります。
「ママのことを考えたら帰りたくなった」とジギーは思いますが、「あなたに歩いてほしい」と言ったママのことばもあり、地球を救うことを決めた。
そんな感じがしますね。
Soul Love(魂の愛)
Soul Love (2012 Remastered Version)
デヴィッド・ボウイ
1972/06/06 ¥250
さらに意味不明なのが2曲目の「魂の愛(Soul Love)」。
墓石の前で息子の死を悲しむ母親と、新しい生命が生まれようとしている様子が読み取れます。
5年で地球が破滅するという今このときに、死にゆく者もいれば、逆に新たに生まれる命もある。
世の中は諸行無常だなと、そんな思いがします。
そして歌詞の後半は、愛とは何かを歌っている感じでしょうか。
Moonage Daydream(月世界の白昼夢)
Moonage Daydream (2012 Remastered Version)
デヴィッド・ボウイ
1972/06/06 ¥250
ついにジギーが地球人の前にロックスターとして降り立ちました。
僕は宇宙からやってきたんだ。
君たちのためにロックンロール野郎になるんだよ。
僕に熱狂してくれ!
「月世界の白昼夢(Moonage Daydream)」はそんな感じのことを歌ってます。
Starman(スターマン)
Starman (2012 Remastered Version)
デヴィッド・ボウイ
1972/04/28 ¥250
ついにきました「スターマン(Starman)」。
ジギーは「子どもたちを熱狂させよう、ブギーさせよう」と言い地球人たちを虜にします。
でも人々はジギーが人間の心を狂わせてしまうんじゃないかと思う。
ジギーは、君たちの心を吹き飛ばしやしないよと言う。
それくらい人々はジギーに熱狂したということでしょうか。
イット・エイント・イージー(It Ain’t Easy)
It Ain’t Easy (2012 Remastered Version)
デヴィッド・ボウイ
1972/06/06 ¥250
「イッツ・エイント・イージー(It Ain’t Easy)」はアルバム唯一のカバー曲で、オリジナルはロン・デイヴィス。
自身のライブのレパートリーでもあったため、はじめにレコーディングされたようです。
カバーなので、「ジギー・スターダスト」になんで入れたのかという声もあります。
でもここはあえて「ジギー・スターダスト」の一部として聞いてみると、人々を熱狂したジギーはいかした女の子をゲットした。
女の子もまたジギーを求める。
なんて、ジギーの成功を描いているようにも見えるかも。
レディ・スターダスト(Lady Stardust)
Lady Stardust (2012 Remastered Version)
デヴィッド・ボウイ
1972/06/06 ¥250
レコードだと、ここからB面。
「レディ・スターダスト(Lady Stardust)」はジギーが観客の前で夜通し歌い続ける様子が描かれています。
ジギーは暗闇と落胆を歌い、悲しく笑う。
メロディと歌詞の内容から切なさが感じられますね。
ここからだんだんジギーが落ちていきます。
スター(Star)
Star (2012 Remastered Version)
デヴィッド・ボウイ
1972/06/06 ¥250
戦地に赴く者もいれば、国を変えようとする者もいる。
でも俺はロックスター。
ロックスターには、俺にはなんだってできる。
「スター(Star)」からは、ロックスターである自分自身にはたして価値はあるのだろうかというジギーの苦悩の片鱗が見えます。
やや自棄になっているようにも思えますね。
君の意志のままに(Hang On To Yourself)
Hang On To Yourself (2012 Remastered Version)
デヴィッド・ボウイ
1972/06/06 ¥250
そして女に溺れ、らんちき騒ぎするジギー。
「君の意志のままに(Hang On To Yourself)」のサウンド面からも、ジギーが自暴自棄になって騒いでいる様子が想像できますよね。
音だけ聞いているとノリが良くて楽しげな雰囲気。
でも落ちていくジギーを思うとなんともいえない悲しい気持ちになっちゃいますね。
屈折する星くず(Ziggy Stardust)
Ziggy Stardust (2012 Remastered Version)
デヴィッド・ボウイ
1972/06/06 ¥250
名曲「ジギー・スターダスト(Ziggy Stardust)」きました。
やっぱりこの曲だけ聞くんじゃなくて、アルバム1曲目から順番に聞くと感動が倍増します。
ジギーはギターを弾き、歌います。
で、気になるのがこの曲の最後「子どもたちがその男を殺し、俺はバンドを解散させた」という部分。
その男=ジギー、俺=バンドメンバーだと歌詞から想像できるんですが、そうなるとジギーは、この時点ではないにしても結果殺害されたことになります。
「蜘蛛」という単語が歌詞に出てきますが、「蜘蛛」はデヴィッド・ボウイのバンドを務めたザ・スパイダーズ・フロム・マーズからきたことばだと思われます
サフラゲット・シティ(Suffragette City)
Suffragette City (2012 Remastered Version)
デヴィッド・ボウイ
1972/04/28 ¥250
「サフラゲット(Suffragette)」とは婦人参政権論者、とくに過激な運動家を指すことば。
「サフラゲット・シティ(Suffragette City)」の歌詞は、ぶっちゃけ意味不明なんですが、薬に溺れる人々はじめカオスな街になっていることが読み取れます。
ロックン・ロールの自殺者(Rock ‘N’ Roll Suicide)
Rock ‘N’ Roll Suicide (2012 Remastered Version)
デヴィッド・ボウイ
1972/06/06 ¥250
「ジギー・スターダスト」を締めくくるのがこの曲です。
地球を救うためにやってきたジギーに熱狂した人々でしたが、ジギーは救世主でもなんでもなく。
人々は激しく失望し、ジギーを殺害。
それが、「屈折する星くず」のラスト「子どもたちが男を殺しバンドを解散した」につながります。
「子どもたち」はジギーに熱狂したファンのことで、彼らがジギーに裏切られたと感じ殺害した、もしくはジギーが自ら命を絶つまでに追い込んだのかなと。
曲名からすると、ジギーが自分から命を絶ったのかなと思いますが。
「ロックン・ロールの自殺者(Rock ‘N’ Roll Suicide)」の中で繰り返される「あなたはひとりじゃない」というフレーズ。
これはロックスターとしてのジギーに、ロックスターではない本当のジギーが声をかけているのかなぁなんて思いました。
【ジギー・スターダスト解説】ジギーは結局何者なのか
ジギーは結局何者なのでしょうか。
「僕はスペース・インベーダーだ」といっているように本当に宇宙人なのか。
それともただのぶっ飛んだロックスターを夢見る青年なのか。
どっちとも考えられると思います。
ただ私としては、ジギー=本当に宇宙人だと思っています。
こちらの記事でも触れているのですが、デヴィッド・ボウイは宇宙に関心を持っていたし、「ジギー・スターダスト」以外にも宇宙をテーマにした楽曲が多いんです。
デヴィッド・ボウイの近未来的なファッションも、宇宙好きが影響しているのかもしれません。
となると、やっぱり歌詞どおりジギーは宇宙人なんじゃないかなと思います。
【ジギー・スターダスト解説】もともとはコンセプトアルバムではない
ここまでストーリーをほぼ想像で補完しましたが、実は抽象的で意味不明なのは当然のことなんです。
なぜなら「ジギー・スターダスト」自体もともとこういうコンセプトで作ろう!として制作されたわけではないからです。
曲の構成も当初とは違っていたし、「ロックン・ロールの自殺者」や「サフラゲット・シティ」はアルバム制作後半に加わっています。
「スターマン」なんて最後に完成された曲。
ストーリーの肝となっている楽曲が、録音を進めている段階で良い曲が次々にできた!という感じで加えられていき、形が変わって今の完成形にあるんです。
なので、「ジギー・スターダスト」はコンセプトありきではなく、楽曲ありきのアルバムが正解なんですね。
デヴィッド・ボウイの「ジギー・スターダスト」想像を巡らせながら聞こう
私の大好きなデヴィッド・ボウイのアルバム「ジギー・スターダスト」のストーリーもろもろを解説しました。
解説といっても、ほとんど想像でしかありませんが。
個人的には初めて自分で買ったアルバムで、その切ないテーマにすごく感銘を受けたんですよね。
なぜ初めてのデヴィッド・ボウイのアルバムに「ジギー・スターダスト」を選んだのかは忘れてしまいましたが、これをきっかけにデヴィッド・ボウイはじめロックの沼にどっぷりつかってしまったので、私にとっては思い入れが深いです。
デヴィッド・ボウイは主観抜きにしてもとっつきやすいとはいえないと思います。
でも、音楽を聞いてこんなに切ない気持ちになる経験って「ジギー・スターダスト」でしか味わえません。
代表曲「スターマン」も、単体で聞くのとアルバムを通して聞くのとでは全然違います。ぜひアルバムで聴いてほしい1枚です。
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